育苗
畑に直接タネを播くのではなく、まずポット等にタネを播いて苗を育てることを育苗といいます。この苗を畑に植えつけしていきます。
育苗は、その後の作物の生育に大きく影響します。苗が小さい間は気候の変化などに対して十分な抵抗力がないため、特に注意する期間といえます。
(1)ポットでの育苗
通常、作物は双葉のうちに、苗箱からポットに移植します。定植に適した気候になるまでポットで生育させます。ポットは定植時の苗の大きさに見合うものを準備します。
ポット内は土の量と水分が限られているため、きめ細かい注意が必要です。ポットは持ち運びが自由で、定植も楽にできる利点があります。
(2)苗床での育苗
ポットを使用しないで苗床を利用して育苗することもできますが、現在ではポットによる育苗が一般的です。
この苗床で生育させた苗は、土をブロック状に切り分けて定植します。
葉菜類は夏野菜に比べて、苗床での育苗が容易ですが、根が切れたりするとダメージをうけるものもあります。
定植
定植は苗の大きさや外気温などが、各作物の定植条件に合うようになってから行います。これを無視すると苗が十分に育たないことがあります。
①苗は、茎がしっかりとした、元気のある苗を選びます。
②定植しようとしている土が乾燥している場合は、定植箇所にタップリと水を注いでから定植します。この場合、穴に流し込んだ水が完全に土にしみこんでから定植してください。水が溜まっている状態で定植しないようにします。
③苗をポットから取り出し定植する穴に入れます。このとき、ポットの土が崩れないように注意してください。土が崩れると根も一緒に切れてしまうことがあります。
※ネギは、土が崩れて根が一緒に切れても差し支えありません。
④ポットと定植する穴に隙間がないように、しっかりと土を入れます。ポットと定植する穴に隙間があると根が伸びていくことができないわけです。
⑤夏野菜を定植する場合は、苗を中心に少し盛り上がるようにします。また、苗の周囲を鉢状にすることで、水やりなどを効率よく行えます。
⑥定植後は苗の移動は原則として行いません。従って株間をしっかり考えて定植することが大切です。同じ作物であっても作付け時期などによって、株間を狭くしたり広くします。基本的に栽培期間が長ければ株間は広く、栽培期間が短かい場合は株間を狭くします。
※通常、ポットから苗を取り出したら、根が乾かないうちに即定植します。根が乾燥した場合は、水で湿らすとよいでしょう。
※作物の種類や品種によっては、例えばネギなどは、根を乾かしてから定植します。